DPFはディーゼル粒子フィルターというディーゼルエンジンの排気ガス中の煤を集積して、再生機構で堆積した煤を焼き切る機構を備えた触媒の1つで、再生で焼き切れなかった煤が蓄積して最悪のケースではDPF交換という数十万の高額修理が必要になるようです。
一昔前のディーゼル車は排気ガスが黒煙モクモクで煤の排出が環境問題となり、この触媒が開発されたようです。またEGRという排気ガスを再度燃焼室に戻して有害成分を軽減する装置も搭載しています。
このEGRも煤を含んだ排ガスを循環させるため、EGR本体やインテークマニホールドに煤が堆積しやすく、クリーンディーゼル車のウイークポイントになっていて、走行10万Km前後で吸気系もクリーニングするケースが多いようです。
BMWのG型からDPF処理後の排気ガスをEGRに送るルートが追加されており、吸気系に煤が堆積しにくくなっているようです。全てDPF処理後の排気ガスを循環させたほううが良さそうですが、燃焼室で煤を焼いてDPFの煤堆積を削減するためと思われます。
このDPFはトラックにも搭載されており、20万㎞前後で交換周期となるようで、DPFクリーニングを行い延命するケースもあるようで、BMWのDPFも20~30万Kmの交換推奨部品となっています。
今回は、DPFの詰まりを予防する目的でDPFに堆積した煤をクリーナをDPFに直接注入してクリーニングしました。使用したクリーナはワコーズの「DIESEL-2 ディーゼルツー DPFクリーナー」というもので、前車でも使用したものです。
前回は、DPFの差圧センサーのパイプを利用してクリーナをDPFに注入しましたが、今回は差圧パイプのゴム状のホースを抜くことが出来なかったので、DPF前の温度センサーを外すための「クローフットレンチ フレアナットレンチセット」を合わせて購入しました。
このクローフットレンチは、配線付のセンサーを固定しているナットを外すための工具で、今回使用したのは14mmのクローフットレンチのみですが、サイズが豊富でO2センサーなどにも使用できるもので、他の整備にも使用する想定です。
この車両のDPF前の温度センサーはエンジンルームの奥まった所にあるため、付属のエクステンションバーに手持ちの差込角9.5mmのラチェットレンチを使用して温度センサーを外すことが出来ました。
外した温度センサーの穴にワコーズ ディーゼルツー付属のチューブを挿入するのに当たり、穴のサイズが小さく奥まで入らなかったのでチューブの先端に細いパイプを結合して挿入しました。
ワコーズ ディーゼルツーの説明の通り施工前に30回以上、缶を良く振ってから、付属のチューブをノズルに装着して、正立して3分程度クリーナを注入しました。泡状のクリーナがDPF内部で拡散するようです。
クリーナ注入後、チューブを抜いて温度センサーを元に戻してワコーズ ディーゼルツーの説明の通り30分程アイドリングして、DPF再生条件の冷却水温度が70度以上になってから、BimmerLinkで再生指示を行いました。
暫く、アイドリング状態で再生しないかBimmerLinkでモニターしていましたが、再生が始まらないので走行再生して排圧でクリーナを排出する目的で2時間程度、市街地走行しました。
走行後にBimmerLinkでDPFをモニターした所、再生後走行距離からみて走行直後に再生が始まり、短時間で再生が終わったようで、堆積煤の量が施工前の25g程度から15gと今一減っていない状態でした。
ただし、低速のトルクが太くなったようで、施工前には起こらなかった車庫入れの時にタイヤからスキール音がするようになり、アクセルの付きも良くなったような気がします。ターボ車なので排気の抜けが良くなった効果だと思います。
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